☆小児がん関連の本

小児血液腫瘍専門書『Pediatric Hematology-Oncology in Countries with Limited Resources : A Practical Manual』
Daniela Cristina Stefan, Carlos Rodriguez-Galindo/編(Springer)

 この本は,途上国で小児がん治療・ケアに従事する医療者向けの実践マニュアルです。
ACCLの渡辺和代代表が,この本のチャプター12「Psycho-Social Aspects / Parent Support Groups」をICCCPO(国際小児がん親の会連盟)の会長Kenneth氏とアフリカ在住の小児がん患児の親御さんWondu氏と一緒に執筆しました。
 この本を途上国で日々治療に従事している医師・看護師に届け,必要な知識を共有し現場の治療・ケア向上につなげていけるよう,“Pay It Forward(ペイフォーワード)with the Book Project”を実施しています。
“Pay It Forward(ペイフォーワード)”とは,人から受けた厚意(親切)を次の人に渡そうという意味で使われる言葉です。まさに先進国から途上国へと,知識の輪が拡がり,一人でも多くの子どもたちが救われるよう,ご協力をお願いいたします.
 詳しくはこちらをご覧ください。

『 子どもと家族のための 小児がんガイドブック 』
東京都立小児総合医療センター血液腫瘍科/編(永井書店)

 小児がんの診断・治療・ケア等を知るための必携のガイドブックです。
 東京都立小児総合医療センター血液腫瘍科の先生方が「子どもたちとご家族の役に立つ,小児がんのガイドブックをつくろう!」と企図し,小児がんにかかった患者とその家族が直面する不安や問題を少しでも解消できるよう,各小児がんの診断・治療法から,専門病院,手続,宿泊など,小児がんのあらゆる情報をコンパクトにまとめたガイドブックです。
 小児がんと闘う子どもたちとご家族に是非手にとっていただきたい一書です.
 この本の印税は,ACCLを通して途上国で闘病する小児がんの子どもたちのために使われます.編著の先生方のお気持ちに感謝いたします。

『私たちの先生は子どもたち!子どもの「悲嘆」をサポートする本』
細谷亮太/監修 リンダ・エスピー/著 下稲葉かおり/訳(青海社)

 両親やきょうだい,友達や可愛がっていた動物との死別や離別.この本は,愛するものとお別れをする子どもの悲しみについての理解を促し,また悲嘆のなかにある子どもをどのようにサポートするかについて書かれた本です。
 内容については,子どもが悲嘆を経験するとき,子どもがどのように悲嘆を表現するかケーススタディの紹介,子どもの悲嘆に影響を与えるもの,悲嘆の中にあるこどものニーズの理解,病気や死や悲嘆についてこどもと話すこと,そして悲嘆にある子どもをどのようにサポートするか,またケアする人自身のケアの大切さなどが書かれています。
 「私たちの先生は子どもたち!」という本のタイトル通り,悲嘆にある子どもたちの経験を通して成長していく姿を見せてもらうことでケアする側も多くの学びを得る,と語るグリーフケアカウンセラーとして20年の経験をもつ著者の言葉の意味を,この本を読むだけで納得できる一冊です。ところどころに挿入された日本の小児がんや障害を抱える子どもたちなどのイラストも必見です。
   
『小児がん在宅医療ガイドブック』(財)在宅医療助成 勇美記念財団

 東京都立小児総合医療センター 血液・腫瘍科 辻尚子が在宅医療助成により作成された小冊子です。
 「小児がんのお子さんとご家族が,地元やご自宅で闘病したいと希望されても,これまで治療を行ってきた病院を離れることに,大きな不安を感じることが少なくないといわれています。(略)小児がんのお子さんの診療が可能な東京都内の在宅医療機関を調べ,小児がんのお子さんが在宅医療を始められる際に役立つガイドブックを作成することにしました。」
(本ガイドブックより一部抜粋)
 以下のウェブサイトから内容を閲覧できます。
http://www.zaitakuiryo-yuumizaidan.com/docs/booklet/tsujinaoko_booklet.pdf
   
『Paul and the Dragon(ポールとドラゴン)』

 サンパウロで開催された国際小児がん親の会連盟(ICCCPO)の年次会議で紹介されたDVDです。ディズニーのサイレントムービーのような,25分もののかわいらしいアニメーションです。10歳の男の子ががんとたたかっていく姿を通して,小児がんについての正しい理解へと導いてくれます。
   ★小児がんを経験した方々の本    
   
『ありがとっ』若林 努/著 Team - Pay it Forward 2106 -/編著
(2009年5月14日発行)

 本「ありがとっ」は,2008年5月にユーイング肉腫のために享年24歳で旅立たれた若林努さんの想いを受け継いだご家族や彼の友人たちが協力しあって作成し,自費出版された本です。努さんのメッセージと共に,彼自身やご家族,友人が撮影した素敵な写真がふんだんに盛り込まれた写真集のような本です。彼のメッセージは魂に響きわたるようで,読んだあと勇気がわいてきます。表紙の「ありがとっ」という筆文字も,努さんが綴ったものです。
 抗がん剤治療,手術,再発,そして右足の切断という辛い現実にも真正面から向き合い,誰よりも命の大切さを感じていた彼は,病と闘いながらも最期まで家族・大切な方・友だちとの時間を大切にし,夢や希望にむかって生きていました。
 一人でも多くの方にこの本を手にしていただけましたら幸いです。

「ありがとっ」それは・・・勇気をくれる,力をくれる,笑顔をくれる不思議な魔法。

ご注文はACCL(accl@accl.jp)までご連絡ください。
1冊:ご寄付1口 1000円
   
『種まく子どもたち 小児がんを体験した七人の物語』佐藤律子/編
(角川文庫)

 2006年4月に文庫化された本です.5年前にポプラ社よりハードカバーが発刊され,TVドラマ「3年B組金八先生」第6シリーズの中で取り上げられ,話題になりました.金八先生が息子の幸作君にがんを告知するときに手渡した本です。
 小児がんを経験した7人とその家族の手記から,いのちの尊さ,思いやり,感謝の気持ちの言葉が心に染み渡ります。
 勇気の種,元気の種,心温まる種,思いやりの種・・・この「種まき」が社会の中,たくさんの人の中で育ちますように。
   
『仲間と。 がんと向きあう子どもたち』
がんの子供を守る会フェロー・トゥモロー編(岩崎書店)

  今回ご紹介する本は,財団法人がんの子供を守る会の小児がん経験者の会「フェロー・トゥモロー」のメンバーたちが編集した体験談です。十一名のメンバーが自分たちの経験を通し,告知の問題,学校やクラスメイトとの関係,退院後直面した就職や結婚,家族との葛藤などを率直に語っている本です。また後半には,メンバーたちの座談会が掲載されています。闘病中の辛さ,告知に対する思い,治療後の後遺症の問題などについて本音が語られており,当事者だけが知る気持ちを伺い知ることができる貴重な内容となっております。
 辛い闘病体験を乗り越えてきた若い彼らの,勇気をもって語りかける言葉一つ一つが,みなさんの胸に響くはずです。
   
『 ちいさなライオン ~夢の番人~ 』エイキ ミナコ/文・絵  
(第一印刷所)

 “小児がんの子どもたちに勇気をあたえるためにこの絵本を一人でも多くの方々に読んでいただけたらと思っています。”・・・小児がんに打ち勝ち,現在,絵本作家・イラストレーターとして活躍するエイキミナコさんの初出版の絵本です.絵本の主人公はちいさなライオンです。ライオンは小ビンの中に住み,子どもたちの夢がつまった風船を守る夢の番人です。エイキさんのやさしいタッチの絵とあたたかいメッセージには,困難にも立ち向かう前向きさ,そして感謝の気持ちに溢れています。
 2012年2月19日に東京で開催した小児がんゴールドリボンキャンペーンでは,エイキさんのお話,そしてこの本の朗読も行われました.多くの皆さんにエイキさんのメッセージが届きますように。

詳細はこちらをご覧ください。http://www.dip.co.jp/chiisana-lion
   
『電池が切れるまで 子ども病院からのメッセージ』すずらんの会/編
(角川文庫)

 「…電池はすぐにとりかえられるけど命はそう簡単にはとりかえられない。…だから私は命が疲れたと言うまでせいいっぱい生きよう」
 「命」というこの詩は,小児がんと闘う当時小学四年生だった少女が書き残した作品です。(詩・14頁参照)
 この本は,長野県立こども病院の院内学級のこどもたちの文集をまとめたものです.右記の詩のほかにも,4歳から中学生までの難病を抱える子どもたちの作品が収められています。「命」と向き合う日々の中でも,子どもたちの言葉からは,友人を思いやる心,家族を気遣う気持ち,自分の病気と向き合い自分で自分を叱咤激励する姿など,大人の想像を遙かに超える子どもたちの生き様がうかがえます。子どもたちの純粋な「命」の受け止め方に,大人も学ぶべきものをたくさん発見できる一冊だと思います。

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「電池が切れるまで」の仲間たち 子ども病院物語」宮本雅史著(角川文庫)

この詩画集に秘められた子どもたちと家族,医師,教師たちの真実の物語も文庫化されています。
  ★ ピーター・レイノルズさんの作品     

絵本作家ピーターさんは、カナダ生まれ、現在はアメリカ・マサチューセッツ州にお住まいです。
ピーターさんのやわらかくやさしいタッチのイラスト・メッセージにはいつも心があたたまります.双子の兄・ポールさんとともにACCL設立当初より応援をいただき、感謝いたします。
ピーターさんのサイトはこちらです ⇒ www.peterhreynolds.com
   
『 Plant a Kiss 』 
Amy Krouse Rosenthal (著) ・ Peter H. Reynolds (イラスト)

ボストン在住の絵本作家ピーター・H.・レイノルズさんからすてきな贈り物がありました.この絵本の見開きページには,ACCLの代表渡辺和代さんに捧げますと,ありがたいメッセージが書かれています。

ピーターさんは,ACCL設立当初から,活動の趣旨に賛同してくださり,アメリカから応援をしてくださっています。ACCLのロゴの絵もピーターさんからプレゼントしていただいたものです。

絵本のストーリーは,主人公の女の子が,何もない土に種を撒き,心をこめて出た芽を育てるお話です。芽が出ないときに疑ったりしたこともあったけれど,最後まで信じ続け,たった一つの芽から多くの植物を育て,みんなに分け与える…そんなお話です。ピーターさんからのありがたいメッセージを心の糧にし,これからも心をこめて,種まきの活動を続けていきたいとの思いを強く抱きました。この思いを感謝とともに,日頃ACCLを支えてくださっている多くの方々と共有できれば嬉しく思います。
   
『てん』 ピーター・レイノルズ/作 谷川俊太郎/訳(あすなろ書房)

 『てん』?・・・「天」「店」「転」?ではなく、原題が「the dot」ですので「点」のことです。“絵を描く”という行為を通して、子どもたちの個性を認めること、自分なりでいいんだよと勇気づけることの大切さを気づかせてくれるすてきな絵本です。
 この本との出逢いが,ピーターさんとのすてきなご縁になりました。
   
『ほしをめざして』ピーター・レイノルズ/文・絵  
のざか えつこ/翻訳(岩崎書店)

 毎日は旅のようなもの.悩んだり,困難に直面したりすることもありますが,いろいろな経験,出逢いを重ね一歩一歩・・・自分なりの旅“人生”を歩んでいくことの大切さを伝えてくれるメッセージが込められています.きっと皆さんの旅にも寄り添ってくれる絵本になるのではないでしょうか。
 「The North Star」・・・一人一人の旅 “人生の路”はそれぞれです.見上げる空に輝いて見える星もきっとそれぞれ。あなたはどのようなみちびきの“星”をながめていますか・・・?
   
『ちいさな あなたへ』アリスン・マギー/文 
ピーター・レイノルズ/絵 なかがわちひろ/訳(主婦の友社)

 この絵本は,一人のお母さんと生まれたばかりの我が子との出会いから始まります。小さな愛しい我が子の成長を,一枚一枚大切に貼ったアルバムを開くように振りかえり,そして永遠の別れのときまでをも想像した物語です。「わたしのあかちゃん」が「わたしのこども」に成長し,いつしか家を出る年を迎え,そして同じように母親になっていくさまを,優しく見守り続ける母親のその大きな愛に,思わず涙してしまいます。是非親子で読んで欲しい1冊です。
 出産祝いやお誕生日のプレゼントにもきっと喜ばれることと思います!ピーターさんの優しいタッチのイラストも必見です。
   
『 テ ス の 木 』ジェス・M・ブロウヤー/作  
ピーター・H・レイノルズ/絵 なかがわちひろ/訳(主婦の友社)

 6歳の女の子テス.そして家の庭には大きな木。テスはいつも一緒にその大好きな木と遊んでいました。しかし,ある日嵐で木が折れてしまい,切りたおされることに・・・.最愛の木・仲良しの友人とのつらいお別れ。悲しみの中,テスが懸命に向き合い,乗り越ええていく姿に胸を打たれます。そしてあたたかな心で寄り添う周囲の大人たちの姿にも.愛おしさ,温かみ,すなおな心,やわらかい清々しさあふれる絵本です。
 子どもの気持ちに寄り添うお話・絵。大切なひとを想い,忘れない・・・あたたかい気持ちになる1冊です!
  ★心あたたまる詩画集 
   
『 おたんじょう おめでとう
―いのちの出会いが教えてくれること― 』
橋本昌彦・橋本さやか/詩 葉祥明/絵・文 
竹内正人・池川明・井上文子/文(中央法規出版)

この本は,親子の出会いは何よりもすばらしい人生の贈りものであることを教えてくれる詩画集です。シンガーソングライターの橋本昌彦さん,さやかさんご夫妻が詩を担当し,イラストは阿蘇や北鎌倉に美術館がある著名な絵本作家の葉祥明さんが担当されました。
 登場する5つの詩に,体内記憶の研究で著名な産科医の池川明先生や,「赤ちゃんの死へのまなざし」など著書を多数出版されている産婦人科医の竹内正人先生,ソーシャルワーカーの井上文子さん,葉祥明さんなどがそれぞれメッセージを寄せております。
 いのちの出会いに偶然はないこと,たとえ流産や死産など悲しいお産であったとしても赤ちゃんは親を選んで生まれてきたこと,また,かけがえのない親子の絆は永久的につづくことなど,赤ちゃんを授かる幸せやともに生きる喜びが胸いっぱいに溢れる感動の詩画集です。
 育児雑誌などでも多数紹介されていますが,出産祝いに大変喜ばれます!是非みなさんも手にとってご覧ください。
   ★バブールの本です 
   
『 バブールのきぶんはふわふわ 』ムライ タケシ/文・絵  
Thomas Nuller/英訳(8出版グリーンルーム)

ACCLの広報を担ってくれることになった「フラッフィーバブール」の絵本です.バブールは,頭にのせたシャンプーハットの泡(しあわせの“あわ”)で,なんでも作れる不思議な力を持っています。生みの親は,絵本作家・イラストレーターのムライタケシさん.優しく寄り添ってくれ,あたたかな気持ちで包み込んでくれるバブールのメッセージは,きっと笑顔を運んでくれることでしょう。
  ★小児がんゴールドリボンキャンペーンでご紹介した本 
   
『ちいさいタネ』エリック・カール/作・絵 ゆあさ ふみえ/訳
(偕成社)

 『はらぺこあおむし』でも有名なエリック・カールさんの絵本です。
 風にのって仲間と一緒に旅するちいさいタネ.旅の途中でさまざまな困難に遭遇しながらも,大きくなり,見事な花を咲かせ,また新しいタネが旅にでます。受け継がれる命のすばらしさが感じられる1冊です。
 2008年2月11日に開催しました,小児がんゴールドリボンキャンペーン・JAPAN・2008“足音,つなげよう!”で,小児がん経験者が朗読した絵本です。
   
『ミッチーのことばあそび ひらひらきらり 擬音語・擬態語 1・2・3』
はせ みつこ/さく 中畝 治子/え(冨山房インターナショナル)

 日本画家の中畝治子さんは,小児がんネットワークМN(みんななかま)プロジェクト(小児がん患者や経験者が多くの仲間たちとつながるための支援を目的に,平成17年6月に発足した団体です)のイメージキャラクター「たねちゃん&たねくん」の生みの親です。その中畝さんが絵を描かれた本を今回ご紹介します。
 この本は,数年に渡ってジャパンタイムズ紙(英字新聞)のWord Playに連載されていた4コマ漫画をもとに編集された本で,ミッチーくんと愛犬ポチが繰り広げる楽しい4コマ漫画に日本語の解説,その下に英訳文が付いています。声に出して楽しみながら英語も学べる本です。
 楽しい日本語の「オノマトペ(擬音語・擬態語)」の世界に導いてくれます。おとなも子どもも楽しめるお薦めの1冊です!
   
『今日を輝かせる言葉 あした力になる言葉』ごとうやすゆき/著
(海竜社)

「愛の言葉」,「いのちの言葉」,「夢の言葉」,「幸せの言葉」,「こころの言葉」,「希望の言葉」の6つのセクションから成るこの本の中には,こころに勇気をくれる,いのちに元気をくれる176もの言葉が綴られています。今このいのちの大切さ,優しく,温かく,強くあるがままで歩き出す力をこころに与えてくれる1冊です。
 2007年2月11日に開催しました,小児がんゴールドリボンキャンペーン・JAPAN・2007“足音,とどきますように・・・”で,小児がん経験者たちが一部朗読をさせていただきました。


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